いにしえ

遥か高きこの空を
面影探し仰ぎ見る
澄み渡る蒼天の
眩き光に目を逸らす
  
滔々として時は連なり
悠々として長江流るる
  
一葉の君伝われど
その根を見るは罷りならず
請い願わくば一輪の
儚き花となりて君想う
  
訳:
遥かに高い空に君を想ってふと仰ぎ見る。余りに澄み渡る、綺麗で清く蒼い空に眩い光が降り注いで、私は不意に目を逸らした。
歴史は長く雄大で、もう数え切れない日々が流れた。しかし長江は昔と変わらず悠々と流れている。
一枚の葉っぱのような断片的な記録は伝わっているけれど、地中に深くある根のように、隠れた本当のところは誰にもわからない。ならばせめてそっと咲く一輪の花のように静かに君に想いを馳せたいものである。